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「放下著」(ほうげじゃく)、すなわち煩悩妄想はいうに及ばず、仏や悟りまでも捨て去る、すべての執着を捨て去れ、すべてを放下せよ!

あらら…、また荷物を背負ってるやないか。重くて仕方がない。道ゆく人も皆そうで、何らかの荷物を背負っておられる。老師からよく言われたのが、「できるだけ荷物を軽くせい!」と言うこと。それがなかなかできないので、人間苦しんでいるのです。                      この話をいつも思い出し我が身を振り返る。・・・・・・・・・・・・川を渡ろうとした遊女が川岸で立っていると、同じように川を渡ろうとした老師と弟子が困っているその遊女を見て、「川を渡ろうとしているのかい?」と老師が声をかける。「そうでございます。」と遊女。「では、私がおぶってあげるから乗りなさい」と老師が言うが、その弟子は「老師が女性に触れると言うことはどういうことか? 戒律を破るのか?」と疑問に思う。弟子は老師に尋ねることなく、老師は遊女を背負って川を渡る。無事に渡り終えて僧達と女性が別れる。お互いそれぞれの道を歩み始めた。                       しばらく時が経って歩んでいると、弟子が老師に向かって「老師、なぜ遊女を背負ったのですか? 戒律を破るではないですか?」と尋ねた。老師はそこで「お前はいつまでその遊女を背負っているのだ!」と一喝。 そして、その言葉で弟子は悟るのだが、いつまでも遊女に対して思いを馳せているのは弟子のほうなのだ。執着を捨てきれずに背負い続けて悩んでいる。本来無一物なのであるが…。「我執」が全ての荷物なのですね。この「執着」をどこまでも捨て切っていく。それが、荷物を軽くしていくということ。 夫婦間(家族)のやりとりもそう。今朝、朝のワイドショーを見たら面白いことを言っていた。「帰宅恐怖症」という病。夫婦間の問題で約4割が何らかの問題を抱えているという専門家の見解。その多くが「帰宅恐怖症」。以前は「亭主元気で留守がいい」という言葉があったが、今は家に帰りたくないという夫が増加しているということ。夫は家族が寝静まってから帰宅するそうです。原因は、日々妻から言われる事に不快を感じているからということ。お互いが言い合える関係であればいいのだが、それもそれでひどい場合は離婚につながると専門家は話す。話し合い、コミュニケーションが大切。そして、人間の技(言動・執着)というものはどうしようもないということに目覚めていく(Awakening)ことが、お互い悟りへの道へと放下箸(Throw Away)は導いてくれるのです。何かいざこざがあれば、お互い角がたてば、その角を捨てていく。次に持ち越さない。「今」何が大切なのかを今に問うていくこと。 それの繰り返しである。 合掌、

放下箸

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